任意整理とは?メリットとデメリットだけでなく、実施するとどうなるのか分かりやすく徹底解説

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任意整理とは債務整理のひとつで「利息」をカットしてもらい、元金を分割払いするためのものです。
ただ、任意整理と債務整理はどんな違いがあるのか、今後の生活にデメリットは生じるのかなど不安や疑問を多く抱えている方も少なくありません。
この記事では、任意整理に関する情報をわかりやすく解説します。
この記事でわかること
  • 任意整理とは利息のカット&元金の減額が目的
  • 任意整理のデメリットは金融ブラック・物品の回収・連帯保証人への影響の3点
  • 任意整理の費用目安は5~10万円
  • 任意整理はほぼ弁護士に丸投げでOK!
お困りのことがあればお気軽に
ご相談ください

任意整理とは債務整理の1つである

任意整理とは、債務者の利息をカットしたり元金を減額するための手段。
厳密に言えば、弁護士や司法書士に依頼して、債権者(お金を貸している業者)に対して「債務(借金)を分割払い、もしくは減額する和解交渉」をしてもらうことを指します。
任意整理をすると、毎月支払っている利息をカットできる可能性があるため「残りの元金」を分割払いするだけでよくなる場合があります。

任意整理は、複数の貸金業者からお金を借りていたり、利息の支払いが大きくなり元金がなかなか減らない、完済の目処がたたないといった場合に有効な手段といえます。

任意整理と債務整理の違い

任意整理と似た言葉で債務整理という言葉があります。任意整理と債務整理の違いは「業務内容」にあります。
任意整理は、利息のカット、元金の減額、分割交渉が主な目的です。一方、債務整理は「任意整理・個人再生・自己破産」の3つの総称です。
債務整理というカテゴリーの中の1つが任意整理という理解で問題ありません。

任意整理をするとどうなる?

任意整理をすると3つのメリットと3つのデメリットが生じます。それぞれ、どんなメリット・デメリットがあるのか、今の自分の場合、メリットとデメリットどちらの方が大きいのかを確認していきましょう。

任意整理のメリット
  • 利息を支払わなくてよくなる場合がある
  • 過払い金があった場合元金を減らせる
  • 元金の分割払いをすれば完済できるようになる
任意整理のデメリット
  • 事故情報(金融ブラック)に記載される
  • 債権者から精算の終わっていない物品の回収がされる可能性がある
  • 連帯保証人が借金を背負う可能性がある

デメリットの対処方法は「任意整理のデメリットの回避方法は」にて後述するのでご安心ください。

任意整理のメリット

任意整理のメリットは以下の通り。

  • 利息を支払わなくてよくなる場合がある
  • 過払い金があった場合元金を減らせる
  • 元金の分割払いをすれば完済できるようになる

任意整理は「残金の分割払いを認めてもらうための和解交渉」です。そのため、任意整理ができれば残りの残金を分割して返済するだけでよくなります。

利息の負担も減り、計画的に返済ができるようになるのが任意整理の大きなメリットといえますね。

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過払い金があるケースとは?

過払い金とは、消費者金融やクレジットカード会社などからお金を借りた人が、法律で定められた上限金利よりも高い金利で借りてしまい、払い過ぎてしまった利息のことを指します。

過払い金が発生する主な理由は以下の2つ。

  • グレーゾーン金利:法律で定められた金利の上限と、出資法という別の法律で定められた金利の間にグレーゾーンが存在し、そのグレーゾーンの金利で貸し付けが行われていた時期がありました。
  • 金利の誤った計算:業者側が金利を誤って計算し、本来よりも高い利息を請求していたケースも考えられます。

グレーゾーン金利は、2010年6月18日の貸金業法および出資法改正によって、その存在がなくなりました。

そのため、2010年6月18日よりも前に借金をしていて、支払いを行っていた場合は過払い金がある可能性があります。

もし、自分も該当するかも?と思った場合にはお気軽に当事務所にご相談ください。

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チェック任意整理のデメリット

「借金の整理」という観点では大きなメリットがある任意整理ですが、デメリットも存在します。

主なデメリットは以下の3点です。

  • 信用情報に事故情報が記載されてしまう。(クレカ作成ができない・ローンが組めない)
  • 返済中のお金で購入した物品が債権者に回収されるリスク
  • 連帯保証人が借金を肩代わりしてしまうリスク

それぞれ、詳しく解説します。

信用情報に事故情報が記載されてしまいクレジットカードの新規発行・ローンを組めなくなる

任意整理をすると、信用情報に事故情報が記載されてしまいます。これは金融ブラックとも呼ばれ、新規でクレジットカードの発行やローンが組めなくなってしまいます。

ただし、この事故情報は5~7年で消えるとされているため、今後一生クレジットカードが作れなかったり、ローンが組めなくなるわけではありません。

ただ、一定期間「お金を借りたり、それに類すること」が出来なくなることは覚えておきましょう。

返済中のお金で購入した物品が債権者に回収されるリスク

クレジットカードなどを使って購入をし、その購入金額をまだ完済していない物品がある場合、任意整理をすると債権者にその物品を回収されてしまう可能性があります。

特に、PCやスマートフォン、バイク、車など生活に欠かせない物品を回収されると困ってしまいますよね。

ただし、回収されたら困る物品がある場合には、任意整理をする業者から外せば問題ありません。

任意整理は「任意整理を行う債権者」を選ぶことができるのです。

連帯保証人が借金を肩代わりしてしまうリスク

任意整理の対象となる債権に連帯保証人が設定されている場合、任意整理をすると連帯保証人が借金を背負うことになってしまいます。

カードローンやクレジットカードであれば連帯保証人が付いていないことがほとんどですが、賃貸契約や住宅ローンなどでは連帯保証人を付けるのが一般的。

任意整理をする前には、必ずその借金に連帯保証人が付いているかどうかを確認しましょう。

金銭トラブルで人間関係にヒビが入ってしまうのは避けたいですからね。

任意整理のデメリットの回避方法は?

任意整理によって生じる可能性のあるデメリットは以下の方法で回避することができます。

デメリット回避方法
金融ブラックになってしまうデビットカードやキャッシュレス決済を使う
完済してない物品の回収リスク任意整理する業者を選べば回避可能な場合がある
連帯保証人が借金を背負うリスク事前に弁護士、司法書士に相談し、連帯保証人が付いていない借金にのみ任意整理を行う

ただ、その他にも不安なことも多くあると思います。そんなときは弁護士や司法書士に代表される「専門家」に相談しましょう。

当事務所でも、弁護士があなたを借金から救うために尽力させていただきます。どんなささいな疑問でもお聞かせください。

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任意整理はしないほうがいい?「したほうがよい人」と「しないほうがいい人」の特徴

任意整理は、借金問題を抱えている人にとって、一つの解決策となる場合があります。

しかし、誰にでも当てはまるわけではありません。任意整理をした方がいいと言える人の特徴としては、以下のような点が挙げられます。

ただ、その他にも不安なことも多くあると思います。そんなときは弁護士や司法書士に代表される「専門家」に相談しましょう。

当事務所でも、弁護士があなたを借金から救うために尽力させていただきます。どんなささいな疑問でもお聞かせください。

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チェック任意整理をしたほうがよい人の特徴

  • 借金返済が困難な状況:収入が減少し、現在の借金返済額を続けることが難しい場合。
  • 高金利の借金が多い:利息が膨らみ、元金がなかなか減らない場合。
  • 複数の金融機関から借入があり、返済が複雑になっている場合:複数の債権者とのやり取りに苦労している場合。
  • 将来にわたり、安定した収入が見込めない場合:病気や失業などにより、収入が不安定な場合。
  • 借金問題が精神的な負担になっている場合:借金のことを考えると、日常生活に支障が出ている場合。

まとめると、借金の返済目処が立たず、生活にも支障をきたしている場合には、任意整理をしたほうがよいといえます。

では、逆に任意整理をしないほうが良い人の特徴はどうなのでしょうか。

チェック任意整理をしないほうがよい人の特徴

  • 借入額が少なく、短期間で完済できる見込みがある場合:借入額が少額であれば、任意整理の手続きをするよりも、通常の返済を続けた方が良い場合があります。
  • 高収入で、借金を短期間で返済できる見込みがある場合:収入が安定しており、借金を計画的に返済できる場合は、任意整理は必要ないかもしれません。
  • 借金が住宅ローンや奨学金など、低金利の借金のみである場合:住宅ローンや奨学金は、金利が低く、免責になる可能性が低いことから、任意整理の対象外となることが多いです。
  • 任意整理の手続き費用を支払う余裕がない場合:弁護士費用などの手続き費用がかかるため、経済的に余裕がない場合は、任意整理が難しい場合があります。
  • 将来、大きな買い物や資産の購入を予定している場合:任意整理を行うと、一定期間信用情報に記録が残るため、ローンを組んだり、クレジットカードを作ったりすることが難しくなります。

金融ブラックになると近い将来の計画が崩れてしまうため、借金の返済をしようと思えばできる場合には任意整理以外の方法を推奨します。

任意整理の相場はいくら?

ただ、任意整理も無料でできるわけではありません。任意整理の費用相場は1社あたり5~15万円程度です。

費用の内訳は以下の通り。

  • 着手金:手続き開始時に支払う費用。
  • 報酬金:手続きが完了した際に支払う費用。
  • 実費:印紙代、郵送料など。

また、任意整理の費用は「手続きの複雑さ」や「債権者の数」に比例して高くなる傾向にあります。

山本綜合法律事務所の任意整理費用

当事務所では、任意整理を1社あたり5~10万円を目安に引き受けさせていただいております。

無料相談も利用可能ですので、まずは「任意整理をしたほうが将来的によいのかどうか」など気になることを気兼ねなくご質問ください。

借金問題に精通した当事務所の弁護士が対応いたします。

お困りのことがあればお気軽に
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任意整理の流れ

任意整理の主な流れは以下の通り

①弁護士・司法書士への相談
  • 借金の状況、収入、支出などを詳しく説明します。
  • 弁護士・司法書士は、あなたの状況を詳しく聞き、任意整理が最適な解決策かどうかを判断します。
  • 費用や手続きの流れについても説明を受けます。
②委任契約の締結
  • 弁護士・司法書士に手続きを依頼することを決めた場合、委任契約を締結します。
  • 契約内容をよく確認し、不明な点は質問しましょう。
③受任通知の発送
  • 弁護士・司法書士が、債権者に対して、あなたが弁護士・司法書士に依頼したことを伝える「受任通知」を送ります。
  • この通知により、債権者はあなたに対して直接連絡することができなくなります。
④取引履歴の開示請求
  • 弁護士・司法書士が、各債権者に取引履歴の開示を請求します。
  • 取引履歴とは、あなたが借入を行った際の契約内容や返済履歴などが記録されたものです。
⑤引き直し計算
  • 開示された取引履歴をもとに、利息制限法の上限金利で再計算し、過払い金が発生しているかどうかを確認します。
  • 過払い金がある場合は、その金額を返還請求します。
⑥和解交渉
  • 債権者と交渉を行い、借金の減額や返済計画の見直しについて合意を目指します。
⑦和解成立
  • 債権者と合意が成立すると、和解契約を締結します。
  • 和解契約の内容をよく確認しましょう。
⑧和解に基づく返済
  • 和解契約に基づいて、分割で返済を開始します。

ご自身でしなくてはならないことは弁護士への相談・契約と返済のみ

手続きを見ると、必要な工程が多く面倒な印象をもたれるかもしれませんが、心配いりません。

ご依頼主様がしなければいけないことは「弁護士への相談・契約・支払い」の3つのみです。

専門知識が必要な業務は弁護士が担当するのでご安心ください。

任意整理にかかる期間は半年〜1年程度

あくまで目安ではありますが、任意整理にかかる期間は半年〜1年程度であることが多いです。

特に、複雑ではなく、また債権者も多くない案件では、半年程度で和解が完了します。

また、長期戦で精神的負荷が大きくなりすぎることがないよう、当事務所の弁護士が徹底的にフォローいたします。

まとめ

任意整理は、借金問題を抱えている人にとって一つの選択肢ですが、安易に決断すべきではありません。ご自身の状況をしっかりと把握し、専門家のアドバイスを受けることが大切です。

もし、借金問題でお悩みでしたら、一人で悩まずに、弁護士や司法書士などの専門家にご相談ください。

QA
任意整理に関するよくある質問

任意整理の費用を支払えるか不安です。

任意整理の費用は、弁護士や司法書士に依頼する事務所によって異なりますが、一般的に1社あたり5万円~15万円程度が相場です。

費用を支払うのが難しい場合は、無料相談でその他に自分に合った方法がないかどうか相談してみましょう。

任意整理はしないほうがいいって本当ですか?

任意整理は、借金問題を抱えている人にとって一つの解決策ですが、必ずしも全ての人に当てはまるわけではありません。

任意整理をしない方がいいケースとしては、

  • 借入額が少なく、短期間で完済できる見込みがある場合
  • 高収入で、借金を短期間で返済できる見込みがある場合
  • 借金が住宅ローンや奨学金など、低金利の借金のみである場合

などが挙げられます。

一方で、任意整理をした方がいいケースとしては、

  • 借金返済が困難な状況
  • 高金利の借金が多い
  • 複数の金融機関から借入があり、返済が複雑になっている場合

などが挙げられます。

任意整理をするとクレジットカードは作れませんか?

任意整理を行うと、信用情報に事故情報として登録されるため、一定期間はクレジットカードの新規作成が難しくなります。一般的には5年程度ですが、状況によってはもっと短くなる場合もあります。

しかし、信用情報に登録される期間が過ぎれば、再びクレジットカードを作れる可能性があります。

任意整理後、クレジットカードを作る際の注意点
  • 信用情報機関に登録されている情報を確認する:事故情報が削除されているか確認しましょう。
  • 少額から始める:最初は少額の限度額のカードから始めることをおすすめします。
  • 複数のカード会社に申し込む:一つのカード会社で審査が通らなくても、別の会社では通る可能性があります。
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