時効の援用をするデメリットはある?自分でやる場合のリスクや失敗の回避方法を紹介
この記事では、時効の援用することで得られるメリットやデメリット、自分で時効の援用をする際のリスクなどを解説します。失敗を回避する方法も解説するため、時効の援用を検討している場合にはぜひ参考にしてください。
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時効の援用にデメリットは存在する?
時効の援用にデメリットがあるのか気になっている人も多いでしょう。基本的には、実績のある専門家に依頼して時効の援用を行ってもらえば、失敗することで発生するデメリットのほとんどを避けることができます。ただし、自分で時効の援用を行うと失敗するリスクが高まってしまうため、デメリットが発生しやすくなってしまいます。そのため、時効の援用に関するデメリットをしっかりと理解して、専門家に依頼するか自分で行うかを判断することが重要です。
時効の援用をする前に知っておきたい5つのデメリット
時効の援用を失敗することで発生するメリットとしては、主に以下の5点が挙げられます。
- 時効の援用に失敗してしまうと支払い義務が課せられる
- 時効までの残り期間が延びてしまう
- 遅延損害金が増え続けてしまう
- 信用情報機関に登録された事故情報を抹消することが難しくなる
- 借金が払えない場合「債務整理」をせざるを得ない可能性も
このように、時効の援用を失敗することでさまざまなデメリットが生じます。また、思わぬ経済負担が増える可能性もあるため、時効の援用は自己判断で気軽に行わないようにしましょう。以下では、それぞれのデメリットについて詳しく解説します。
時効の援用に失敗してしまうと支払い義務が課せられる
時効の援用に失敗すると、支払い義務が課せられてしまうため注意が必要です。時効の援用を行ったとしても、必ず成功するとは限りません。中には失敗してしまうケースもあります。時効の援用が失敗するということは、時効が不成立になるということです。そのため、借金返済の義務が再度課されてしまいます。
借金の返済を続けていかなければいけませんが、金銭的な余裕がなく支払えないケースもあるでしょう。その場合遅延損害金ばかりが増えていってしまう、債権者からの督促状などによる取り立てでストレスが溜まる、債権者から裁判を起こされて差し押さえが実行されるなど、さまざまな影響が出る可能性もあります。このように時効の援用に失敗することで、金銭的・精神的な負担が大きくなるリスクがあるため注意が必要です。
時効までの残り期間が伸びてしまう
時効の援用に失敗することで、時効はリセットされます。そのため、時効までの残り期間が伸びてしまうというデメリットがあります。借金には時効があり、永久的に支払い義務が残り続けるわけではありません。基本的には、債権者が何らかのアクションを一定期間何も起こしておらず、債務者も一定期間返済をしていなければ借金の時効が成立するため、支払い義務が消滅します。借金の時効は借金をした時期や債権者の種類によって異なりますが、2020年4月以降に発生した借金については、債権者の種類に限らず時効は5年です。
しかし、時効の援用を失敗してしまうと、時効がリセットされるため時効までの期間が伸びます。たとえば、2017年4月1日に借金をしたとしましょう。債権者・債務者双方が何のアクションもしない場合には2022年4月1日に時効になります。しかし、数え間違えて2022年3月1日に時効の援用をし、時効の援用に失敗してしまった場合には、2022年3月1日から5年間が時効となるという仕組みです。失敗から5年間は支払い義務が発生し、借金を抱え続けるということになるため精神的ストレスも大きくなるでしょう。
遅延損害金が増え続けてしまう
時効の援用に失敗してしまうと、遅延損害金が増え続けるというデメリットもあります。遅延損害金とは、債務者が返済を遅延した際に損害を賠償するために支払われるお金のことです。遅延損害金の額は、借金の額に応じて一定の率がかけられて求められますが、遅延した期間に比例して多くなっていくという特徴もあります。
時効の援用に失敗した場合、過去の遅延損害金もまとめて請求されてしまうリスクがあるため注意しましょう。前述した通り、遅延損害金は支払わずにいる期間が長いほど多くなっていきます。時効が成立するほど長い期間滞納していた場合には、遅延損害金の額が元金の数倍程度になっていることも珍しくありません。時効の援用に失敗したことで、今までの遅延損害金もまとめて請求される可能性があり、大きな経済負担を抱えてしまう場合もあるでしょう。
信用情報機関に登録された事故情報を抹消することが難しくなる
時効の援用により、「信用情報」の事故情報が消せるかもしれないと期待している人も多いのではないでしょうか。しかし、時効の援用に失敗すると、信用情報機関に登録された事故情報を抹消することが難しくなります。
信用情報とは、クレジットカードやローン、借金などに関する情報のことです。クレジットカードの申し込み履歴やローンの残債、借金の有無や滞納の有無などが記録されています。ローンやクレジットカードなどを扱う金融機関は、審査時にこの信用機関の情報を参考にします。そのため、借金の延滞や滞納、債務整理といった情報が記録されていると信用がないと判断され、審査に落ちる可能性が高いです。
時効の援用が成功した場合には、信用情報機関に対して情報提供がなされ、延滞という情報が消滅する、または完了となり事故情報が削除されます。しかし、時効の援用に失敗した場合には事故情報がそのまま残り続けることになるため、クレジットカードの作成やローンの利用、新たな借り入れなどはしにくくなります。
借金が支払えない場合「債務整理」をせざるを得ない可能性も
時効の援用に失敗すると借金返済の義務が生じてしまいます。しかし、金銭的な事情からどうしても支払えない、お金を用意できないという場合もあるでしょう。その場合、債務整理をしなければいけない可能性があります。債務整理には、任意整理・民事再生(個人再生)・自己破産の3種類があります。それぞれの特徴が以下のとおりです。
- 任意整理:借金の減額や金利に引き直し交渉などを行い、生活に支障のない範囲で返済を行えるようにする手続き
- 民事再生(個人再生):借金の返済が困難であることを裁判所に認めてもらい、減額された借金を3~5年で分割返済していくようにするための手続き
- 自己破産:財産がなく支払いができないことを裁判所に認めてもらい、法律上借金の支払い義務を免除してもらうための手続き
債務整理を行うには、弁護士に依頼するなど手間がかかります。民事再生や自己破産を行う場合は裁判所を介さなければいけないため、時間だけでなく精神的な負担も大きくなるでしょう。また、債務整理を行うことで信用情報に事故情報として登録されるため、借り入れやクレジットカードなどの作成にも影響が出てしまいます。
時効の援用のデメリットは「専門家」に依頼することで回避が可能
デメリットの多くは、「自分で時効の援用を行い何かしらのミスによって失敗」にて生じるケースがほとんどです。つまり、時効の援用に失敗しなければ、デメリットはほとんど発生しないということでもあります。時効の援用に失敗したことで生じるデメリットを回避するには、初めから専門家に依頼することが重要です。専門家に依頼することにより、デメリットを最小限にできます。
時効の援用を弁護士に依頼するメリットは?
時効の援用を弁護士に依頼するメリットは以下のとおりです。
- 専門知識・経験があるため「失敗リスク」を最小限にできる
- 時効援用通知書の作成・運用の手間が省ける
- 時効の援用に失敗した場合の経済負担を考えれば費用対効果が高い
このように、時効の援用を専門家である弁護士に依頼することで、さまざまなメリットが得られ、デメリットが生じるリスクも最小限にできます。
また、山本綜合法律事務所では、業界最安水準で時効の援用ができるため、金銭的な余裕がないという方でも依頼しやすくなっています。以下では、それぞれのメリットについて詳しく解説するので、参考にしてください。
専門知識・経験があるため「失敗リスク」を最小限にできる
専門家である弁護士に依頼することで、時効の援用を失敗するリスクを最小限にできる点は大きなメリットです。時効の援用を行う際には、時効援用のタイミングや時効援用通知書になにを記載すればよいのかなど、さまざまなポイントを把握しておかなければいけません。そのため、法律や知識のない素人が行ってしまうと、時効の援用を失敗するリスクが高まります。
しかし、弁護士であれば専門知識やこれまでの経験などがあるため、適切なアドバイスや手続きを行ってくれます。時効の援用が認められるかどうかをしっかりと判断した上で手続きを進めてくれるため、期間を間違えていて失敗するというようなリスクもありません。失敗するリスクが少なくなる=時効援用のデメリットが少なくなるということでもあります。時効の援用を失敗したくないという場合には、弁護士に依頼した方が安心です。
また、債権者と揉めごとになったとしても弁護士が対応してくれるため、精神的な安心感があるという点もメリットでしょう。
時効援用通知書の作成・運用の手間が省ける
弁護士に依頼することで、時効援用通知書の作成や送付を自分で行う必要がなくなるため、手間がかかりません。時効援用通知書とは、時効の援用を行うことを債権者に伝えるための文書です。口頭で伝えることも可能ですが、この場合証拠が残らないため基本的には内容証明郵便で時効援用通知書を発送します。
時効援用通知書には最低限記載しなければいけないことがあり、記載漏れがあった場合には時効の援用が認められず失敗してしまう可能性があります。たとえば、時効を援用する日付や債権を特定する情報などさまざまな情報を記載しなければいけません。記載漏れがないか、間違っていないかなどをしっかり確認しなければいけないため手間がかかります。
また、時効援用通知書を債権者に送付した後、時効の援用が成立したかどうかを確認したくなるケースもあるでしょう。この際、業者によっては支払いを約束するような言質を取られる可能性がないとも言い切れません。弁護士に依頼すれば、時効援用通知書の作成から発送、運用まですべて行ってもらえるため、時効の援用をしたのに支払い義務が発生してしまうといったリスクも最小限にできます。
時効の援用に失敗した場合の経済負担を考えれば費用対効果が高い
弁護士に依頼すると費用がかかってしまうため、ためらってしまう方も多いでしょう。しかし、時効の援用を自分で行って失敗した場合の経済負担を考えると、弁護士に依頼した方が安心ですし費用対効果も高くなります。
前述したように、時効の援用に失敗すると借金の支払い義務が再度生じてしまいます。また、これまでの遅延損害金もまとめて請求されて高額な支払いをしなければいけないケースもあるでしょう。失敗することによって時効も伸びるなど、経済的・精神的負担が重くなります。
しかし、弁護士に依頼すれば時効の援用が認められるかどうかをしっかりと確認してから手続きをしてくれるため、失敗するリスクが低くなります。弁護士へ依頼する場合には費用がかかりますが、失敗した場合のリスクは重いです。さまざまなリスクを避けるためにも、専門家である弁護士へ依頼して確実に時効の援用を成功させた方がよいでしょう。
時効の援用が成功したらどんな良いことがある?
時効の援用に成功することで得られるメリットは以下のとおりです。
- 借金の返済義務がなくなる
- 信用情報の回復が期待できる
- 信用情報が回復すればクレカ作成や賃貸契約もしやすくなる
- 債務整理などと比較して手間がかからない
何といっても、借金がなくなることは最大のメリットです。時効の援用に成功することで、借金の時効が認められるため返済義務が消滅します。そのため、借金が残っていたとしても支払う必要がなくなり経済負担がかかりません。どれだけ高額の借金であったとしても時効の援用に成功すればゼロになるため、金銭的に余裕がなくて支払えないという場合にも安心です。また、借金を支払う義務がなくなることで精神的にも楽になるでしょう。
信用情報の回復が期待できる点もメリットです。前述したとおり、借金の滞納をしていると信用情報に事故情報として登録されます。しかし、時効の援用に成功すれば借金は完済した時と同じ状態になるため、一部の信用情報機関から事故情報が抹消される、もしくは完了などと記載されます。ただし、信用情報機関は複数あり事故情報がいつ消えるかは、信用情報機関によって異なります。
信用情報が回復されることで、クレジットカードの作成やローンの契約、賃貸契約などができるようになるでしょう。新しくクレジットカードを作る際や賃貸契約などの際には、信用できるかどうかを判断するために、信用情報機関に登録されている情報が使われます。借金の延滞などがあると信用できないと判断されるため、クレジットカード作成などは難しくなりますが、時効の援用に成功すれば信用情報の回復が期待できるため、作成できる可能性が高まります。
借金返済の負担を軽くする、借金をゼロにする方法としては、任意整理や自己破産といった方法もあります。しかし、これらの方法を行う際には書類の準備や裁判所に出向くなど、さまざまな手間がかかります。しかし、時効の援用の場合には弁護士に依頼すれば費用は掛かりますが、手間なく借金をゼロにできます。
時効の援用で後悔しないためにも早めに専門家に相談を
時効の援用とは、借金の時効による利益を受けることを債権者に伝えるための手続きです。時効の援用に成功することで借金がゼロになる、信用情報の回復が見込めるなどさまざまなメリットがあります。しかし、時効の援用に失敗すると経済的・精神的に大きな負担がかかることになります。時効の援用に失敗したくない場合には、専門家である弁護士に初めから依頼して手続きを進めてもらうとよいでしょう。
山本綜合法律事務所では、業界最安水準で時効の援用を請け負っています。多くの経験や実績があり、素早く作業することでコストを抑えることで低価格を実現しています。時効の援用をお考えなら、お気軽に山本綜合法律事務所にご相談ください。