占い詐欺で返金される場合はどんなとき?返金方法を判例付きで弁護士が解説

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「占いサイトで高額請求されたけど、これって詐欺?」
「支払ったお金は返金されるの?」
そんな悩みを抱えていませんか?

この記事では、占いサイトの利用で高額な料金を請求された場合、どのようなケースが「詐欺」に該当し、返金される可能性があるのか、実際にあった例をもとに弁護士が詳しく解説します。
「何度もメッセージを要求されて、気づいたら高額な利用料に…」
「高額当選すると言われたのに、一向に当選しない…」など、よくある詐欺の手口や、返金が難しいケースについても紹介。
さらに、実際に返金を求める方法や、弁護士に依頼するメリット、相談の流れについてもわかりやすく説明します。

占い詐欺の被害に遭ってしまった方、不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
  • 占い詐欺で返金が認められるケースと難しいケース
  • 返金を成功させるために必要な証拠とは?
  • 実際の判例から学ぶ、返金請求の成功例
  • 弁護士に依頼することで返金の可能性が高まる理由
  • 占い詐欺に遭ったら、迅速に行動することが重要
お困りのことがあればお気軽に
ご相談ください

占いサイトが「詐欺」と言えるとき

占いは本来、確実性のない「予想」を提供するものです。

そのため、占いの結果が当たらなかったとしても、それだけで「嘘をついた」とは言えず、原則として刑法上の詐欺罪は成立しません。

しかし、明らかに虚偽の内容で利用者を騙し、金銭を支払わせるような行為は詐欺に該当する可能性があります。

例えば、占いサイトの表示やメッセージで、「この鑑定を受ければ絶対に願いが叶う」などと断定的な表現を用いて利用者を勧誘し、実際にはそのような効果が全くないにもかかわらず高額な鑑定料を請求するような場合です。

民法第96条では

  • 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
  • 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。
     
    引用元:民法第96条(e-Gov)

と定められており、詐欺による取引は無効にできます。つまり、意図的に事実を隠したり、虚偽の情報を伝えたりして利用者を欺き、金銭を得る行為は、「詐欺」と言えるのです。

具体的には、以下のようなケースが考えられます。

  • 「絶対に」「必ず」といった断定的な表現を用いて、効果を保証するような勧誘を行う
  • 実際には存在しない霊能力者や占い師の名前を騙り、鑑定を行う
  • 「今だけ特別価格」などと虚偽の情報を伝え、高額な鑑定料を請求する
  • 初回無料や完全無料を謳いながら、実際には有料サービスへ誘導する

このような場合、利用者は詐欺による意思表示の取り消しを主張し、支払った金銭の返金を求めることができる可能性があります。

詐欺とは言い切れなくても「不法行為」に当たる場合

占いサイトの利用において、詐欺とまでは断定できなくても、利用者の不安を煽ったり、正常な判断を妨げたりするような行為があれば、民法上の「不法行為」に該当する可能性があります。

例えば、占いサイトの運営者が、以下のような行為を行った場合が考えられます。

  • 「鑑定を続けなければ不幸になる」「運気が下がる」などと脅迫めいたメッセージを送り、利用を継続させる
  • 「特別に高名な霊媒師の祈祷を受けられる」などと謳い、根拠のない特別料金を請求する
  • 何度もメッセージのやり取りを続けさせ、意図的に利用料を高額にする
  • 利用者の個人情報を不正に利用し、他のサービスへの勧誘を行う

重要なのは、占いサイトの運営者が、利用者の不安や弱みに付け込み、正常な判断を妨げるような行為を行ったかどうかです。単に占いの結果が当たらなかったというだけでは不法行為とは言えませんが、利用者を意図的に誘導し、不当な利益を得ようとする行為は、不法行為として責任を追及される可能性があります。

占いサイトによる詐欺の手法は?

占いサイトによる詐欺は、利用者の不安や願望につけ込み、巧みに金銭を騙し取る手口が用いられます。ここでは、よく見られる代表的な詐欺の手法について解説します。

何度もメッセージを送るように指示してくる

占い詐欺で最も典型的な手口の一つが、利用者に対して何度もメッセージを送るように指示してくるというものです。

「このメッセージを〇回送れば願いが叶う」

「鑑定を続けるためには、この言葉を繰り返し送ってください」などと、様々な理由をつけてメッセージの送信を促されます。

これは、メッセージの送受信ごとに料金が発生する従量課金制のサイトでよく見られる手口です。利用者がメッセージを送るたびに料金が発生するため、何度もやり取りをさせることで、気づかないうちに高額な利用料を請求されることになります。特に、熱心な利用者ほど、指示に従って多くのメッセージを送信してしまう傾向にあり、被害が拡大しやすい手口と言えます。

何人もの占い師が出てきて長引かせてくる

次々に別の占い師が登場し、鑑定が長引くというのも、よくある手口です。最初は特定の占い師が対応していたにもかかわらず、「あなたの悩みを解決するには、別の占い師の力が必要です」などと言って、次々と新しい占い師を紹介してきます。

この手口では、新しい占い師が登場するたびに、新たな鑑定料が発生することが多く、利用者はいつまで経っても悩みが解決しないまま、高額な費用を支払い続けることになります。また「ここまで鑑定を続けたのだから、最後までやり遂げたい」という利用者の心理を利用し、鑑定を中断しにくくする効果もあります。

高額なクジが当選すると言ってくる

無料期間中に「高額当選のチャンス!」などと期待させるメッセージが届くのは、有料サービスへ誘導する手口です。

多くの占いサイトでは、登録直後は無料で利用できます。その間に占い師から「あなたは特別な強運の持ち主」「もうすぐ高額当選する」と、期待させるメッセージが次々に届きます。

無料期間が終わるとメッセージ送信に料金が発生しますが、「当選するなら」と課金を続けてしまう人が多くいます。その後も「当選のためには、このメッセージを送り続けて」などと指示され、高額な料金を支払うことになります。

しかし、高額当選の話は一向に進まず、占い師に「この事は誰にも話さないで」と口止めされ、相談もできずに被害が拡大するケースも。

「無料」「高額当選」の言葉には、特に注意が必要です。冷静に、これは詐欺の手口だと判断しましょう。

高額な商品を売りつけてくる

占いサイトで鑑定を受けた後、「あなたの運気をさらに上げるために、特別なアイテムが必要です」などと言って、高額な商品を売りつけてくるケースもあります。数珠やパワーストーン、開運グッズなど、効果が不確かな商品を、相場よりもはるかに高い価格で販売する手口です。

これらの商品は、実際にはほとんど効果がなく、単なる詐欺の手段として利用されていることがほとんどです。「この商品を購入すれば、悩みが解決する」「運気が飛躍的に向上する」といった言葉に惑わされ、高額な商品を購入してしまう利用者が後を絶ちません。

占い詐欺で返金される場合

占い詐欺に遭ったとしても、以下のような条件を満たしている場合は返金される可能性が高くなります。

  • 詐欺行為や不法行為が明らかである
  • 十分な証拠が揃っている
  • 被害に遭ってから時間が経過していない
  • クレジットカードで支払っている場合

詐欺行為や不法行為が明らかである

占いサイトの運営者が意図的に虚偽の情報を提供し、利用者を騙して金銭を支払わせたことが明確であれば、詐欺または不法行為として返金請求が認められる可能性があります。

具体的には、以下のようなケースが該当します。

  • 「絶対に当たる」「必ず幸せになる」などと断定的な表現で勧誘していた
    → 断定的な表現を用いた虚偽の説明は、消費者契約法や詐欺罪に該当する可能性が高い。
  • 無料と謳いながら、後から高額な請求を行った
    → 「初回無料」「完全無料」と宣伝しながら、実際には有料サービスに誘導し、高額な費用を請求した場合、景品表示法違反の可能性がある。
  • 高額な金銭を支払わせるために、不安を煽るメッセージを繰り返し送っていた
    → 「このままだと不幸になる」「鑑定をやめると大変なことになる」など、恐怖を煽る行為は、詐欺や不法行為として認められる可能性がある。

十分な証拠が揃っている

返金請求を成功させるためには、詐欺の事実を証明できる証拠 を揃えておくことが重要です。以下のような証拠があれば、弁護士が交渉を行う際に有利になります。

  • 占いサイトとのやり取りの履歴(LINE・メール・サイト内メッセージなど)
  • 占いサイトの利用規約や広告のスクリーンショット
  • クレジットカード明細・銀行振込記録などの支払い履歴
  • 「返金不可」などの規約がない、もしくは不当な規約があることを証明する記録

特に、やり取りのスクリーンショットや支払い記録は、占いサイトがどのような手口で金銭を要求していたのかを証明する重要な証拠 となります。

被害に遭ってから時間が経過していない

占い詐欺の被害に遭った後、できるだけ早く対応することが重要です。返金請求が認められやすいのは、以下の条件を満たしている場合です。

  • 詐欺被害に遭ってから3年以内である(民法の消滅時効が成立していない)
  • 占いサイトの運営者とまだ連絡が取れる
  • サイトがまだ閉鎖されておらず、運営情報が判明している

特に、詐欺業者は短期間でサイトを閉鎖し、新しい名前で再開することが多いため、時間が経過すると返金請求が困難になります。

クレジットカードで支払っている場合

占いサイトの支払い方法がクレジットカード決済だった場合、返金の可能性が高くなります。特に以下の条件を満たしている場合、カード会社を通じて「チャージバック」を申請できます。

  • 不正請求であると証明できる(サイトの規約と異なる請求をされた、騙された証拠がある)
  • 利用したクレジットカードのチャージバック申請期限内である(通常は決済日から120日以内が目安)

チャージバックとは、クレジットカードの不正利用があった場合に、カード会社が加盟店(占いサイト側)に支払いを取り消し、利用者へ返金を行う仕組みです。

詐欺被害に遭った場合は、できるだけ早くカード会社に連絡し、チャージバックの申請を行う必要があります。

占い詐欺で返金されない場合

占い詐欺の被害に遭ったとしても、すべてのケースで返金が認められるわけではありません。以下のような状況では、返金請求が難しくなる可能性があります。

  • 十分な証拠が揃っていない
  • 被害に遭ってから時間が経っている
  • 相手が音信不通になっている/連絡先がわからない
  • 海外法人の場合

十分な証拠が揃っていない

返金を求めるためには、詐欺や不法行為を証明する証拠が必要です。

しかし、十分な証拠が揃っていない場合、返金請求が認められない可能性があります。

具体的には、以下のような証拠が必要となります。

  • 占いサイトとのやり取りの履歴(メッセージ、メールなど)
  • 支払い記録(クレジットカードの明細、銀行の振込記録など)
  • 占いサイトの利用規約や広告のスクリーンショット
  • その他、詐欺被害を裏付ける資料

これらの証拠が不足していると、詐欺の事実を立証することが難しくなり、返金請求が認められない可能性が高まります。

特に、口頭でのやり取りや、記録に残らない形での支払い(現金手渡しなど)は、証拠として認められにくいので注意が必要です。

被害に遭ってから時間が経っている

占い詐欺の被害に遭ってから時間が経過してしまうほど、返金請求は困難になります。

理由は主に二つあります。

一つ目は、時間が経つにつれて、詐欺を行った占いサイト側が逃亡したり、連絡先を変更したりする可能性が高くなるから。

二つ目は、証拠消滅のリスクが高まることです。時間が経過するほど、メッセージのやり取りや支払い記録などの重要な証拠が失われ、詐欺の事実を証明することが難しくなります。

例えば、被害から数ヶ月が経過した後では、占いサイトが既に閉鎖されているかもしれません。また、利用していたアプリが削除されてしまい、やり取りの記録が確認できなくなっている可能性もあります。

上のことから、占い詐欺の被害に遭った場合は、可能な限り迅速に行動することが、返金請求を成功させるために極めて重要です。

当事務所(山本綜合法律事務所)では、

  • 相談料
  • 着手金
  • 調査費用
  • 口座凍結費用

すべて0円で行っています。

そのため、まずは相談してみることをおすすめします。

相手が音信不通になっている/連絡先がわからない

占いサイトの運営者が音信不通になったり、連絡先が不明になったりした場合、返金を求めることが非常に困難になります。

特に、悪質な占いサイトは、最初から詐欺を目的としていることが多く、短期間でサイトを閉鎖したり、運営者情報を偽ったりしている場合があります。

このような場合、被害者が泣き寝入りを余儀なくされるケースも少なくありません。

海外法人の場合

占いサイトの運営者が海外法人の場合、返金請求はさらに困難になります。日本の法律が適用されない場合や、国際的な法的手続きが必要となる場合があり、時間的にも費用的にも大きな負担が生じます。

また、言語の壁や、海外の法律・制度の違いなども、返金請求を難しくする要因となります。海外法人が運営する占いサイトを利用する際には、特に注意が必要です。最悪の場合、全く対応してもらえず返金されず終わるケースもあります。

占い詐欺の返金方法は?

占い詐欺の被害に遭った場合、どのように返金を求めればよいのでしょうか?ここでは、弁護士に依頼して返金手続きを進める方法について、順を追って解説します。

弁護士に相談する場合に必要になるもの

弁護士に依頼する際には、以下の情報・資料をできるだけ多く準備しておくと、その後の交渉がスムーズに進みます。

  • 占いサイトとのやり取りの履歴
  • 時系列がわかるメモなど
  • 占いサイトへの課金履歴
  • 鑑定結果メールやLINEのスクリーンショット
  • サイト名、URL、サイト会員ID、運営会社名、会社所在地など
  • 振込先の口座情報
  • 銀行振込の場合は通帳のコピーや振込明細など
  • クレジットカード払いの場合はクレジットカードの利用明細など

詐欺被害に遭った経緯を時系列でまとめたメモも、状況を正確に把握するために役立ちます。

いつ、どのような勧誘を受け、いくら支払ったのかなど、詳細に記録しておきましょう。

弁護士事務所に問い合わせる

前述の資料が揃ったら、占い詐欺の解決実績がある弁護士事務所に問い合わせましょう。

問い合わせ時には、被害に遭った占いサイトの名前や、被害の概要などを簡単に説明します。その際、どのような弁護士が対応してくれるのか、費用はどのくらいかかるのかなど、気になる点は遠慮なく質問すると良いですよ。

相談

弁護士事務所に問い合わせて面談の予約を取ったら、実際に弁護士と面談し、詳細な状況を説明します。

この時、用意しておいた資料を提示しながら、被害の経緯を時系列に沿って説明しましょう。

弁護士は相談内容に基づき、返金の可能性や取るべき対応策についてアドバイスをしてくれます。

また、弁護士費用についても詳細な説明をしてくれる場合がほとんど。

相談したからといって、必ずしも依頼しなければならないわけではないので、納得のいくまで話を聞き、慎重に検討しましょう。

弁護士が返金の交渉・手続きを開始

弁護士に依頼することを決めたら、委任契約を締結し、正式に返金請求の手続きを依頼します。その後は、弁護士があなたの代理人として、返金に向けた手続きを進めてくれます。

  • 弁護士が「内容証明郵便」を占い詐欺サイトに送る
  • 弁護士が返金の可否・額の交渉をする
  • 交渉に成功すると無事あなたに返金される

返金額の一部を成功報酬として支払う

返金に成功した場合、弁護士に対して成功報酬を支払う必要があります。

成功報酬の金額は、事前に締結した委任契約に基づいて決定され、多くの場合、返金額の一定割合(例えば、返金額の30%など)となります。

成功報酬は、実際に返金が成功した場合にのみ発生する費用です。

万が一、返金が認められなかった場合には、成功報酬を支払う必要はありません(ただし、着手金や実費などの費用は発生する可能性があります)。

占い詐欺の被害に遭ったらまずは弁護士事務所に相談を

占い詐欺は、巧妙な手口で被害者を騙し、金銭的にも精神的にも大きなダメージを与えます。

  • 意味のないやり取りを何度も送らせる
  • 他の占い師を名乗って追加利用させる
  • やたらと不安を煽ってくる
  • 続ければ幸せになれると強調してくる

など「もしかして騙されたかも…」と感じたら、一人で悩まず、すぐに弁護士に相談することをおすすめします。

占い詐欺の解決には、迅速な対応が重要です。時間が経てば経つほど、証拠の確保が難しくなり、返金請求の成功率も低下してしまいます。

山本綜合法律事務所では、あなたの状況を冷静に分析し、最適な解決策を提案してくれます。返金請求はもちろん、悪質な占いサイトを刑事告訴するためのサポートも提供してくれます。

「大した金額じゃないから…」「相談しても無駄かもしれない…」と諦める必要はありません。 どんな些細なことでも、まずは弁護士に相談してみてください。

当事務所では、

  • 相談料
  • 着手金
  • 調査費用
  • 口座凍結費用

すべて0円で行っています。

成功報酬のみとなりますので回収できなかった場合は一切費用を頂きません。

占い詐欺の被害から立ち直るためには、早期の対応が不可欠です。

匿名でも構いませんので、高額なお金を使われてしまった方は、まずはご相談ください