ACマスターカード延滞後の流れと対処法|ブラックリストや督促の不安を解決
支払いが遅れると、遅延損害金が発生したり、カードが使えなくなったりと、様々な不利益が生じる可能性があります。
しかし、必要以上に怖がることはありません。大切なのは、現状を正しく理解し、誠実に対応することです。
- この記事では、ACマスターカードを延滞してしまった場合に何が起こるのか、そして具体的にどう対処すれば良いのかを、一つひとつ丁寧に解説していきます。一人で抱え込まず、一緒に解決策を見つけていきましょう。
ACマスターカードを延滞するとどうなる?発生する5つのリスク
支払いの延滞をしてしまい、これからどうなるのだろうと不安な気持ちでいっぱいかもしれませんね。
ACマスターカードの支払いが遅れると、単に支払額が増えるだけでなく、あなたの信用にも関わるいくつかのリスクが発生します。
まずは、具体的にどのようなことが起こるのかを正確に把握することが、冷静な対応への第一歩です。ここでは、延滞によって発生する主な5つのリスクを見ていきましょう。
年率20.0%の遅延損害金が発生する
まず最初に発生するのが、支払い遅延に対するペナルティである「遅延損害金」です。ACマスターカードの場合、その利率は”年率20.0%”と定められています。
これは、通常のショッピング利用時の利率(実質年率10.0%~14.6%)よりも高く設定されており、延滞した日数分だけ日割りで加算されていきます。
少しイメージしてみてください。例えば、利用残高10万円を30日間延滞してしまった場合の遅延損害金は、以下のように計算されます。
- 計算式: 100,000円(利用残高) × 0.20(年率) ÷ 365日 × 30日(延滞日数) = 約1,643円
この金額が、本来支払うべき金額に上乗せされます。
延滞が長引くほど、この負担は雪だるま式に増えていくため、一日でも早く返済することが、結果的にあなたの負担を最小限に抑える鍵となります。
カードが利用停止になる
支払日に返済が確認できない場合、多くは翌日以降、ACマスターカードは利用できなくなります。これは、カード会社であるアコムが、これ以上利用額が増えてしまうリスクを防ぐための措置です。
普段の買い物はもちろん、公共料金や携帯電話料金、サブスクリプションサービスなどの支払いをACマスターカードに設定している場合は特に注意が必要です。
カードが利用停止になることで、それらの支払いも滞ってしまい、生活に思わぬ影響が出てしまう可能性があります。
電話や郵送物による督促を受ける
延滞が続くと、アコムから電話や郵送物による連絡が届くようになります。
最初のステップは、登録している携帯電話への連絡です。これは支払い忘れの確認といった意味合いも含まれますが、この連絡に応じないと、次の段階に進みます。
それが、自宅住所への督促状(ハガキや封書)の送付です。郵送物には「アコム株式会社」の名前が記載されているため、同居しているご家族に知られてしまう可能性が出てきます。最も避けたいのは、精神的な負担からこれらの連絡を無視してしまうことです。事態を穏便に解決するためにも、誠実な対応が求められます。
信用情報に“異動情報”が登録される(ブラックリスト入り)
延滞による最も深刻な影響の一つが、信用情報に“異動情報”が登録される、いわゆる「ブラックリスト入り」です。
具体的には、返済日から61日以上または3ヶ月以上の延滞が発生した場合に、信用情報機関(CIC、JICCなど)に「異動情報」として登録されます。
信用情報とは、あなたのローンやクレジットカードの利用履歴のことです。金融機関は、住宅ローンや自動車ローン、新規のクレジットカード発行などの審査を行う際に、必ずこの信用情報を確認します。
ここに事故情報が登録されていると、「返済能力に問題がある人物」と判断され、以下のような様々な契約の審査に通ることが極めて難しくなります。
- 住宅ローン、自動車ローン、教育ローンなど各種ローン契約
- 新規クレジットカードの作成
- スマートフォンの分割購入
- 賃貸住宅の保証会社の審査
この記録は、延滞を解消(完済)してから約5年間は残り続けるため、あなたの将来のライフプランに長期的な影響を及ぼす可能性があるのです。
強制解約や一括請求のリスクがある
延滞がさらに長期化し、アコムからの再三の督促にも応じない場合、事態はより深刻になります。
最終的には、ACマスターカードは強制的に解約させられ、利用残高の一括請求を受ける可能性があります。
これは、契約者が分割払いやリボ払いで支払う権利(これを「期限の利益」と呼びます)を失うためです。そうなると、分割払いにしていた利用分も含めて、すべての残高を一度に支払うよう求められます。現実的に、この要求に応じるのは非常に困難なケースが多く、事態をさらに悪化させる要因となり得ます。
延滞期間別に解説!いつ、何が起こるかの流れ
先ほどのリスクが、具体的にいつ頃起こるのか、時間の流れに沿って見ていきましょう。ご自身の状況と照らし合わせることで、次にとるべき行動が明確になります。延滞後の流れは、期間によって段階的に深刻化していくのが一般的です。
延滞1日〜1週間:電話やメールでの連絡
支払日を過ぎてしまうと、まずは登録しているメールアドレスや携帯電話のSMS(ショートメッセージ)に、入金を促す連絡が届きます。その後、個人の携帯電話にも担当者から連絡が入ることがあります。
この段階の連絡は、「うっかり支払いを忘れていませんか?」という確認の意味合いが強く、対応も丁寧な場合がほとんどです。もし、この段階で気づいたのであれば、すぐに支払いを済ませることで、大きな問題に発展するのを防ぐことができます。
延滞1ヶ月前後:督促状(ハガキ)の送付
電話やメールでの連絡に応じない、あるいは連絡はしても返済が行われない状態が続くと、次のステップとして自宅に書面での督促状が届き始めます。
最初は「お支払いのお願い」といった比較的穏やかな文面ですが、それでも返済がない場合は、「至急ご連絡ください」といった、より強い調子の文面へと変わっていきます。この段階になると、ご家族に延滞の事実を知られてしまうリスクも高まります。
延滞2ヶ月〜3ヶ月以上:信用情報への登録と強制解約
延滞期間が2ヶ月を超えてくると、事態は重大な局面を迎えます。この期間の延滞は「長期延滞」と見なされ、あなたの信用情報に事故情報(異動情報)が登録される可能性が非常に高くなります。
前述の通り、一度登録されてしまうと、完済後も約5年間は記録が残り続け、あなたの社会的な信用に大きな影響を及ぼします。また、このタイミングでACマスターカード自体も強制的に解約されるケースが多くなります。
延滞3ヶ月以降:裁判や差し押さえの可能性
再三の督促にも応じず、3ヶ月以上の長期延滞に至った場合、アコムは債権(貸したお金)を回収するために、裁判所を介した法的手続きへと移行する可能性があります。
具体的には、裁判所から「支払督促」や「訴状」といった書類が自宅に届きます。これを無視してしまうと、最終的にはあなたの給与や預金口座といった財産が差し押さえられる「強制執行」が行われる可能性があります。
給与の差し押さえが行われる場合、裁判所から勤務先に通知がいくため、会社にも延滞の事実を知られてしまうことになります。これは、極力避けたい最悪のシナリオです。
ACマスターカードを延滞した時の正しい対処法
ここまで読み進めて、事の重大さに改めて不安が募っているかもしれません。しかし、まだ打つ手はあります。大切なのは、パニックにならず、一つずつ誠実に対応することです。
延滞してしまったという事実は変えられませんが、これからの行動次第で、状況が深刻化するのを防ぐことは十分に可能です。ここからは、具体的な対処法を一緒に確認していきましょう。
すぐにアコムへ電話で連絡する
最も重要で、かつ最初に行うべき行動は、自分からアコムへ電話で連絡することです。延滞に気づいた時点、あるいは支払いが難しいと分かった時点で、すぐに連絡を入れましょう。
アコムからの連絡を待つのではなく、自分から連絡することで、「支払う意思はある」という姿勢を示すことができます。これは、今後の相談をスムーズに進める上で非常に大切なポイントです。連絡を無視してしまうのが、最も状況を悪化させる行為だと覚えておいてください。
【アコム総合カードローンデスク】
電話番号:0120-629-215(平日9:00~18:00)
返済日や返済額の相談をする
ご連絡の際には、まずは延滞してしまっていることを正直に詫び、現在の状況を誠実に伝えましょう。その上で、いつまでに、いくらなら返済できるのかを具体的に相談します。
例えば、「お支払い日を過ぎてしまい、大変申し訳ありません。今月、急な冠婚葬祭があり、どうしても支払いが難しい状況です。本来であれば本日お支払いすべき5万円のうち、まずは利息分だけでもお支払いすることは可能でしょうか。そして、残りの元金については、来月25日の給料日に必ずお支払いします。」といった形です。
事情によっては、一時的に返済額を利息分のみにしてもらえたり、返済日を変更してもらえたりと、相談に応じてくれる可能性があります。隠さずに正直に話すことが、解決への近道です。
可能な限り早く入金する
アコムと相談して返済日や金額の約束をしたら、その約束通りに、可能な限り1日でも早く入金を実行しましょう。
約束を守ることで、アコムとの信頼関係を維持することができます。もし、約束した期日にも返済が難しくなってしまった場合は、必ずその日よりも前に再度連絡を入れ、事情を説明するようにしてください。誠実な対応を続けることが何よりも重要です。
どうしても返済できない場合の相談先
アコムに相談しても、返済の目処が全く立たない…そんな深刻な状況に陥っている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、どうか一人で抱え込まないでください。自力での解決が困難な場合、あなたには法的に認められた救済の道があります。
専門家の力を借りることも、大切な選択肢の一つです。ここでは、無料で相談できる公的な機関や、借金問題の専門家をご紹介します。
弁護士や司法書士などの専門家に相談する
弁護士や司法書士は、借金問題解決のプロフェッショナルです。あなたの代理人としてアコムと交渉し、最適な解決策を提案してくれます。
専門家に依頼する最大のメリットの一つは、依頼が受理された時点で、アコムからの督促が最短即日でストップすることです。精神的な負担が軽減されるだけでも、状況を立て直すための大きな一歩になります。
多くの法律事務所では、借金に関する相談は初回無料で行っています。まずは相談だけでもしてみる価値は十分にあります。
日本クレジットカウンセリング協会(JCCO)に相談する
「いきなり弁護士に相談するのは少しハードルが高い…」と感じる方は、国からの助成で運営されている中立的な公的機関、公益財団法人日本クレジットカウンセリング協会(JCCO)に相談するのも良いでしょう。相談は無料で、あなたのプライバシーは固く守られます。
JCCOは、消費者の立場に立って、多重債務問題の解決を支援している中立的な機関です。専門のカウンセラーが無料で相談に乗り、家計の状況を見直しながら、どうすれば返済を続けられるか、具体的なアドバイスをしてくれます。必要に応じて、弁護士への紹介(任意整理)も無料で行っています。
公式サイト: 公益財団法人日本クレジットカウンセリング協会
債務整理を検討する
どうしても返済が困難な場合、最終的な手段として「債務整理」という法的な手続きがあります。債務整理は、裁判所などを通じて、借金を減額したり、支払いを免除してもらったりするための手続きです。
主に以下の3つの種類があり、それぞれに特徴や条件があります。どの方法が最適かは、あなたの状況によって異なるため、必ず弁護士などの専門家と相談の上で進めることが重要です。
| 手続きの種類 | 概要 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 任意整理 | 裁判所を通さず、将来発生する利息のカットなどをカード会社と直接交渉する方法。 | 手続きが比較的簡単で、家族に知られにくい。整理する借金を選べる。 | 元金自体は減らないことが多い。信用情報に約5年間登録される。 |
| 個人再生 | 裁判所に申し立て、借金を大幅に(約1/5~1/10に)減額してもらい、残りを3~5年で分割返済する方法。 | 住宅ローン特則を使えば、住宅を保持できる可能性がある。 | 手続きが複雑で費用も高め。信用情報に約5~10年間登録される。 |
| 自己破産 | 裁判所に申し立て、支払い不能であることを認めてもらい、原則として全ての借金の返済義務を免除してもらう方法。 | 税金などを除く全ての借金の支払いが免除される。 | 価値のある財産(家、車など)は手放す必要がある。信用情報に約5~10年間登録される。 |
これらの手続きは、生活を再建するための正当な権利です。追い詰められてしまう前に、選択肢の一つとして知っておくことが大切です。
ACマスターカードの延滞でやってはいけないNG行動
追い詰められた状況では、冷静な判断が難しくなり、つい誤った行動をとってしまいがちです。しかし、これからお伝えする3つの行動は、あなたの状況をさらに悪化させてしまう危険性があります。これだけは絶対に避けるようにしてください。
アコムからの連絡を無視する
最もやってはいけないのが、アコムからの電話や郵送物を無視し続けることです。
連絡を無視することは、アコム側に「返済の意思がない」と判断させてしまう最悪の行動です。これにより、督促のレベルが段階的に引き上げられ、事態は急速に法的手続きへと進んでしまいます。怖い、気まずいという気持ちは痛いほど分かりますが、一度は連絡に応じ、正直に状況を話す勇気を持ってください。
虚偽の申告をする
その場しのぎで、「〇日には必ず全額支払います」といった、守れない約束をしてしまうのも避けるべきです。
もし約束が守られなかった場合、アコムとの信頼関係は完全に失われてしまいます。そうなると、その後の返済相談に一切応じてもらえなくなる可能性も出てきます。実現不可能な嘘をつくのではなく、正直に現状を伝え、実現可能な返済計画を相談する方が、結果的にあなたの助けとなります。
他社からの借入れで返済する
ACマスターカードの返済をするために他社からの借入れで返済を続ける多重債務、いわゆる「自転車操業」は、問題の根本的な解決にはなりません。
一時的に返済はできても、借金の総額は増え、利息の負担も重くなります。これは、多重債務という、さらに深刻な状況への入り口に他なりません。目の前の問題から逃れるためだけの借入れは、あなたの首をさらに絞めるだけだと、強く認識してください。
ACマスターカードの延滞に関する
よくある質問
最後に、ACマスターカードの延滞に関して多くの方が疑問に思う点について、Q&A形式でお答えします。
1日の延滞でも信用情報に影響はありますか?
結論から言うと、1日や数日といったごく短期間の延滞で、すぐに信用情報機関に事故情報が登録される(ブラックリスト入りする)ことは基本的にありません。
ただし、アコムの社内記録には延滞の事実が残る可能性があります。これが将来、利用可能額の増額審査などに影響を与える可能性はゼロではないため、やはり延滞はしないに越したことはありません。
遅延損害金の計算方法を教えてください
遅延損害金は、以下の計算式で算出できます。ご自身の状況に当てはめて計算してみてください。※概算となりますので、実際の金額は契約書に記載の条件や日割り計算方式によって異なる場合があります。
- 借入残高 × 0.20(遅延損害金年率) ÷ 365日 × 延滞日数
家族や会社に延滞の事実が知られてしまう可能性はありますか?
あなたが自分から話さない限り、延滞の初期段階で家族や会社に知られる可能性は低いです。アコムからの連絡も、まずは個人の携帯電話に来ます。
しかし、連絡を無視し続け、自宅への督促状の送付が始まったり、最終手段である給与の差し押さえに至ったりした場合は、知られてしまう可能性が非常に高くなります。そうなる前に、早い段階で誠実に対応することが、周囲に知られずに問題を解決する唯一の方法です。
一度強制解約されたら再契約は不可能ですか?
一度、延滞が原因で強制解約となった場合、再度ACマスターカードを契約することは極めて難しいと言わざるを得ません。
強制解約の事実は、信用情報機関に事故情報として登録されるだけでなく、アコムの社内にも記録として残り続けます。そのため、将来的に再度申し込みをしても、審査に通る可能性は非常に低いのが現実です。
まとめ
ACマスターカードの支払いを延滞してしまうと、遅延損害金の発生から始まり、カードの利用停止、督促、そして最終的には信用情報への登録や財産の差し押さえといった深刻な事態に発展する可能性があります。
しかし、最も大切なのは、問題を一人で抱え込まず、パニックにならないことです。延滞してしまった場合に取るべき最善の行動は、すぐにアコムへ連絡し、正直に状況を話して返済の相談をすることです。連絡を無視したり、その場しのぎの嘘をついたりすることだけは、絶対に避けてください。
もし自力での返済がどうしても難しい場合は、弁護士や司法書士、日本クレジットカウンセリング協会といった専門家や公的機関に助けを求めることをためらわないでください。
この記事が、あなたの不安を少しでも和らげ、次の一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。延滞は誰にでも起こりうることです。大切なのは、この経験から学び、誠実な対応で信頼を回復していくことです。あなたの生活再建の一助となれば幸いです。

